私はハワイに住んでいます。
ハワイに観光で来る人も多くて、友人や家族が来るたび、
「ガイドブックに乗っていないような、ローカルが通うおいしいお店を教えて!」
とリクエストをいただきます。
ローカルで賑わう店。
確かにあります。でも、ローカルが通う店って、本当においしいんでしょうか。
経験談その1:ハワイの職場の仲間で、アメリカ人と日本人で食事をした話。
ハワイで勤務している旅行会社は、地元のアメリカ人と、駐在の日本人が一緒に働いています。職場の人たちはみんな仲が良く、よく一緒に食事をします。
先日、クリスマスパーティをあるレストランで行った時のこと。
そこで出たラザニアをみんなでつまんで、アメリカ人の同僚が「美味しくない!」と一言。
どれどれ・・?と、皆が一斉にラザニアを食べる。
アメリカ人:「本当、美味しくないね。スーパーで売っているラザニアの方がマシ!」
日本人:「え。おいしいよ?え?」
明らかに国籍で味の品評が別れていました。
確かに、生まれ育った味が違うのだから、「おいしい」と感じる味覚も違うのかもしれない。
今までの経験を振り返ると、そう言う出来事が多々ありました。
経験談その2:中国で中華料理を食べた時の話。
中国に出張になり、現地の中国人に、おいしい中華料理を接待でご馳走してもらいました。現地の人間がここぞと言う時に行く、高級レストランだそう。
出てきた料理を食べると、いつもの自分が食べている「中華料理」とは違う味。
エビチリも、青椒肉絲も、自分の知っている味では無い。
微妙でした・・・
私がいつも日本で食べていた中華料理は、日本人好みに味付けが変えられていたんだなあ、と初めて知った出来事でした。
中国人の方達は、おいしいでしょ?ここは本当にオススメのレストラン!と食事をとても楽しんでいました。
経験談その3:広島でイタリア人観光客に出会った話。
広島、と言えばお好み焼き。広島風お好み焼きは、日本でも人気の地方グルメ。出張に行った際には、おいしいお店をリストアップして、仕事のメンバーで通うのが出張の楽しみ。
先輩方々より何十年も蓄積された「本当にうまい」広島お好み焼き店に、よく通いました。
そこで、隣に居合わせた、外国人観光客5人グループ。話す言葉は英語ではなく、おそらくイタリア語だったかと思います。
広島焼きを目の前にして、「イェエエエエ!!」と言う感じでテンションが上がっていました。目の前で焼かれる広島焼きに目を輝かせ、出来上がると全員写真を撮り、
それはもう、ワクワクしているのが伝わって来るようなはしゃぎっぷり。
存分に撮影を楽しんだ後、広島焼きを全員一斉に一口、食べました。
「・・・・。」
今までのテンションはなんだったのか、と言うくらいの落ちっぷり。
イタリア語はわからなくても、「美味しく無いんだな」と言う事が十分に伝わって来る表情でした。
笑顔は消え、仲間どうして、暗い顔でボソボソと会話をして、
1人はもう一口トライしてましたが、他のメンバーはもう口をつけませんでした。
一口しか食べられていない大きな広島焼きが、5皿、ポツン。
いや、おいしいんですよ、ここのお好み焼き。
入るのが大変なほど、人気店です。
ただ、お好み焼き自体が、もしかしたらイタリア人の口に合わなかったのかな、と思いました。
日本人がおいしいお店が、外国人においしいとは限らない。
何が言いたいのかって言うと
つまり、日本人と外国人の味覚は違うんだろうな、と思うわけです。
生まれてから和食メインでダシの味を覚えてきた日本人と、
ソースやケチャップメインで味をがっつりつけてきたアメリカ人とは、
「美味しさ」の感じ方が違うのは当然です。
話を戻しますと、ハワイで「地元ロコが通うおいしい店」なんて言うのは、
おいしいかどうかわかりませんよ、って話。
信用できるのは「ハワイ在住日本人がオススメするおいしいお店」か、「日本人観光客にオススメのレストラン」なわけです。
だって我々は日本人。だしの味で育って、納豆を愛する国民。
日本人観光客にオススメのレストラン特集、作りたいです!
作るか!